和漢廿四孝 (柳下亭種員撰・房種画)
もう最後の一人になってしまいました!最後はお姫様ね!と思ったら少年でしたわ! たしかにお姫様ならもっと髪が長いわよね。 「早稲田大学図書館古典籍総合データベース」より 後三条院(ごさんでうのいん)此帝いまだ太子にてましますころ 深く北斗を信じ…
楠正成の嫡男、楠正行。 「早稲田大学図書館古典籍総合データベース」より 楠正行(くすのきまさつら)帯刀正行は父正成湊川に討ち死の後 遺言を守り 南朝の帝に仕へ奉り 忠戦数度に及びしかば 君叡感あつて 弁の内侍とてきこゆる美人を 宿の妻に賜らんとあ…
こちらの孝女は薩摩福依賣(さつまのふくよめ)さん。お初にお目にかかります。 「早稲田大学図書館古典籍総合データベース」より 薩摩福依賣(さつまのふくよめ)福依賣は薩摩の国なる賤しき民の娘也 元より家貧しくその父母ことに衰へつねに病むこと多けれ…
「鎌倉殿の13人」の印象が強ので、泰時というと坂口健太郎さんの姿かたちが脳裏に浮かびます。 「早稲田大学図書館古典籍総合データベース」より 北條泰時(ほうでうやすとき)北條義時の長男にて鎌倉三代の執権たり 義時存生のうち 泰時にまさりて寵愛深き…
魚が飛び跳ねてます。鯉を食べたいという父親の願いを叶えてあげたくて悩む孝行娘が川で洗い物をしていたら、鯉が川から飛び跳ねて、桶の中へ入るところです。 竹内邑今女(たけのうちむらのいまぢょ)大和の国竹内村の農民なにがしが娘 今女といへるは 早く…
農民甚助さん。 「早稲田大学図書館古典籍総合データベース」より 農民甚助(のうみんぢんすけ)備中の国浅口郡柴木村の産 兄弟三人ありて 甚助は末子なり 父没する時三人に田地を分かち与へしが 二人の兄は耕作におこたり 不作のみ打ち続くゆへ甚助に田地を…
小松殿、平重盛。 「早稲田大学図書館古典籍総合データベース」より 小松内大臣重盛(こまつ ないだいじん しげもり)重盛は平清盛公の嫡子なり 父相国 君をないがしろになし 民を苦しめよろづほしいままのおこなひのみ つのりしかば 深く悲しみ神明仏陀に誓…
「さき・なおじょ」さんという名前の女性かと思ったら、「佐紀(奈良県)という土地の、値(あたい)さんちの娘」で、個人名は出てきませんでした。 「早稲田大学図書館古典籍総合データベース」より 佐紀直女(さきのあたひむすめ)大和の国佐紀の里の民 直…
信濃の孝子。 「早稲田大学図書館古典籍総合データベース」より 信濃孝子(しなののかうし)信州の住人何某とかやいへる人 男子をまうけ妻世を去りしかば 都より後妻をむかへたりしに この妻かねてかたらひし男ありて 折々都より文を通はせけるを夫聞き知り …
丁蘭だ!と思ったら日本人だった! 「早稲田大学図書館古典籍総合データベース」より 伴直家主(とものあたひやかぬし)安房の国安房郡の農民なり 至孝たぐひなく父母おはりてのち 口に 美味をくらはず あらきものを着て なげきくらし 二親の木像をつくらせ …
行列を裸足で必死に追いかける、若い娘さん。非業の死を遂げて怨霊になった橘逸勢(はやなり)の子でした。松が連なる背景は海ですね。この海から伊豆へ流されていく予定だったのかしら。 「早稲田大学図書館古典籍総合データベース」より 橘氏妙仲(たちば…
不出来な息子を叩きのめす父親武則。無抵抗な息子の公助。 「早稲田大学図書館古典籍総合データベース」より 随身公助(ずいじんきんすけ)東三条大政大臣の御鷹飼 武則の子なり 右近の馬場の賭け弓を射損じたりとて晴れがましき所にてさんざんに我が子を打…
内容が7 波自采女とかぶる人。 「早稲田大学図書館古典籍総合データベース」より 難波部安良賣(なにはべのやすらめ)筑前の人にて いとけなきよりきわめて父母に孝順なり その母早く世を去りけれは深く悲しみ嘆き 明け暮れ墓に詣で仕ふこと 生ける日のごと…
大江挙周(たかちか)さん。母親は百人一首の女流歌人、赤染衛門。ぱっと見、扇を広げてなんだかお目出たい感じかと思ったら全然違いました。親子で代わる代わる病気になったときのお話でした。 「早稲田大学図書館古典籍総合データベース」より 大江挙周(…
丹生弘吉。これは母子の和やかな食事のシーン。外には畑。畑の上にロープが張ってあって、ぶら下がっている小さな札みたいなのは鳴子でしょうか。 丹生弘吉(にふのひろよし) 若州遠敷郡の農民なり 父にはいとけなくしてわかれ 母に孝をつくすこと 人にこえ…
前項、紀夏井さんの書の先生。お母さんも読書好きだったのかしら。教養のある女性だったのね。何読んでるのかな。 「早稲田大学図書館古典籍総合データベース」より 小野篁(おののたかむら)小野長峯の子 天長五年父に後れ 承和五年遣唐使に命ぜらる 母の名…
紀夏井。亡き親のために、家の中にお堂を作ってしまった人。 「早稲田大学図書館古典籍総合データベース」より 紀夏井(きのなつゐ)従四位下善峰(よしみね)の男 心清く文学秀で 仁寿の帝 ことにめでさせたまひ 右中弁に任ず 孝心世にすぐれ 父母におくれ…
夫に先立たれたものの、変わらず義理の両親に孝を尽くした波自采女さん。 「早稲田大学図書館古典籍総合データベース」より波自采女(はじのうねめ) 称徳天皇の御宇 対馬の国上縣郡の人なり 不幸にして夫に早く別れけるに 姿賎しからねば ここかしこより縁…
藤原衛さん。この絵は衛少年が5歳のみぎり、父親の内麿に、母がいない理由を尋ね、理由を知って大人のように悲嘆にくれている様子ですね。父親は息子の利発ぶりに感動し、のちにこの衛くんに家督を譲ります。10男が相続するってなかなかないでしょうね。長…
矢田部黒麿さん。この人の名前は初めて知りました。 「早稲田大学図書館古典籍総合データベース」より 矢田部黒麿(やたべくろまろ)武蔵の国入間郡の人なり 父母世にありしとき その孝たぐひなかりしが むなしくなりけれ(”けれ”がひとつ余分)ば かなしみ…
中国の曽参に似ているけれど日本人の喜十郎さん。 「早稲田大学図書館古典籍総合データベース」より 樵夫喜十郎(きこりきじふらう)備中の国和気郡総江(さうこう)村の者なり 父ははやく世を去り 母につかへて孝心深くその妻 母に仕ふることおろそかなりと…
お縄を頂戴している白い着物の男性に、子供が三人まとわりついています。 「早稲田大学図書館古典籍総合データベース」より 丈部三子(はせべのさんし) 元正天皇霊亀年中 漆の司 丈部岩勝といふもの漆をかすめし科(とが)によつて 流罪にきはまりけり 斯て…
お二人目は養老の滝で有名なこちらの方。名前は知らない。”「養老の滝」の子”としか。・・・と思ったら赤字で薪の横に小さく「名は源丞内」と書きこまれている。「げんじょうない」さんと判明。岐阜の養老駅にはヒョウタンを持った源丞内さんの銅像が立って…
トップは仁徳天皇。いろんな絵入孝子伝で、よく最初に登場されるようです。やんごとなきお方が下々の家並みを眺めていらっしゃいます。カマドの煙が見えないな~。しばらく税金取るのやめとこっと。庶民に心を寄せる優しい天皇。 「早稲田大学図書館古典籍総…
和漢廿四孝(わかんにじゅうしこう) 柳下亭種員(りゅうかていたねかず)撰。 ・柳下亭種員(りゅうかてい たねかず)文化4年(1807年)~ 安政5年(1858年) 以前別ブログ「二十四孝に会いに行く!」で後半部分(中国の二十四孝)だけ掲載しました。今回は…