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絵本故事談 巻之五・1 日本武尊

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早稲田大学図書館古典籍総合データベース」より

日本武尊(やまとたけのみこと)
尊は景行帝の御子なり 帝の皇后同日同胞にして雙生し給ふ 俗にいふ ふた子なり
帝これを異とし碓になそらへて二(ふたり)の皇子を大碓小碓と
號(なつけ)給ふ 小碓は日本武尊なり 幼にして雄略の氣あり
壮(としさかり)に及ひ容貌魁偉として身の丈一丈 力よく鼎を扛(あげ) 
武勇秀て智謀ふかく 十六歳の時筑紫熊襲の大将川上梟師を欺て
刺殺し其一族を亡し 又東国征伐の詔を承て趣給ふの日
道を枉(まげ)て伊勢太神宮に詣 叢雲の寳剱を請得て遂に
駿河国に至り給ふ 其所の賊徒 (いつはり)て随ひ計を
以て野草に火を放ち尊を焼殺んとす 尊 佩(をふる)所の寳剱をぬきて
其傍の草を薙攘(はら)ひ給ふ ここにおいて 免るることを得
火はかへつて 賊徒を焼 是より寳剱を草薙となつけられたり

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ヤマトタケルは双子でした。「帝これを異とし」という部分、「日本書紀(上) 全現代語訳」(講談社学術文庫)では「天皇はこれをいぶかって」と訳されています。

陽る・・・いつわる、って読むんですね。明るく暖かいイメージしかない「陽」の字のダークな一面を見た気が。

剣で草を薙ぎ払う日本武尊