和漢廿四孝(柳下亭種員撰・重宣画)・2 養老孝子
2番目は養老孝子。薪の束、大きな斧、腰に結わえた瓢箪。奥の滝から流れてきた川の水をちっちゃい盃で掬っています。
『和漢廿四孝』(東北大学附属図書館所蔵)
出典: 国書データベース,https://doi.org/10.20730/100445689
養老孝子(やうろうのかうし)
元正帝の御代 美濃国多度山の梺(ふもと)に
薪を伐て生業(なりはひ)とする貧しき民あり
父母 常に酒を好めども おもひのままにすすむる事あたはず
旦暮(あけくれ)これを嘆きしが ある日柴からんとて
かの山に登り 谷間に落ち来る瀧の水を手に結びて吞しに
その味ひ 美酒(よきさけ)にかはらねば 喜びて持ち帰り
両親にこれを進むるに 老も若やぐ心地するばかりなり
帝 彼が孝をあつく感じたまひ 美濃守に任ぜられ 年号さへ
養老と改めたまひぬ
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