悪いことして捕まった男性。子どもが毎日泣き落としに来ました。めでたく父親は釈放されました。
『和漢廿四孝』(東北大学附属図書館所蔵)
出典: 国書データベース,https://doi.org/10.20730/100445689
丈部三子(はせべのさんし)
元正天皇霊亀年中 漆の司 丈部岩勝といふもの
漆をかすめし科(とが)によつて 流罪にきはまりけり
斯て岩勝に男子三人あり 兄は十二才 次は九才 末は七才なり
ともに父がことを悲しみ嘆き なにとぞ我々三人を遠き嶋にも
流したまひて父が身は許したまへと 日々に官所(つかさどころ)へ
うつたへ出しかば このよしを奏聞なししに 帝三人の孝心を感じ給ひ
つひに岩勝が罪をゆるしたまひぬ
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父親の代わりに自分たちを島に流してくれと。これも親孝行というんでしょうか。子どもだけ三人も流されてきたら島の方も困るでしょうね。