和漢廿四孝(柳下亭種員撰・重宣画)・8 紀夏井
親が亡くなっても野辺送りもせずに自宅室内に安置。現代なら死体遺棄罪で罪に問われる話ですね。
『和漢廿四孝』(東北大学附属図書館所蔵)
出典: 国書データベース,https://doi.org/10.20730/100445689
紀夏井(きのなつゐ)
従四位下善峯(よしみね)の男 心清く文学に秀で
仁寿の帝 叓に愛(めで)させ給ひ 右中弁に任ず
孝心世にすぐれ 父母におくれて憂ひに えたえず
死骸を野辺に送ることを惜み
館の内に堂を作り この中におさめ 朝夕 これに仕ふるさま
在世(いまそかりし)日のごとく 三年におよびぬ
其孝行 海内に隠れなかりけり
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