和漢廿四孝(柳下亭種員撰・重宣画)・18 小松内大臣重盛
平清盛の嫡子重盛。権勢ほしいままの父親清盛に唯一意見を言えた人。残念ながら40代で病に倒れてしまいます。
『和漢廿四孝』(東北大学附属図書館所蔵)
出典: 国書データベース,https://doi.org/10.20730/100445689
小松内大臣重盛(こまつないだいじん しげもり)
重盛は平清盛公の嫡子なり
父相国 君を蔑(ないがしろ)になし 民をくるしめ
万(よろづ)ほしいままの行なひのみ つのりしかば
深く悲しみ 神明仏陀にちかひ
聖賢の道をもつてさまざま是を諫め
我命おはるの夕までも 父を
善道みちびかんと心をくだき給ひけり
さるによつて内府が存生には
平家の傾くべきさまはなかりけり
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「内府が存生には平家の傾くべきさまはなかりけり」。重盛が長命だったら栄枯盛衰の代名詞のような「平家物語」という作品は書かれてなかったわね。