和漢廿四孝(柳下亭種員撰・重宣画)・21 北条泰時
父の死後、自分よりも兄弟に有利になるように所領を分けた北条泰時。
『和漢廿四孝』(東北大学附属図書館所蔵)
出典: 国書データベース,https://doi.org/10.20730/100445689
北條泰時(ほうでうやすとき)
北條義時の長男にて鎌倉三代の執権たり
義時存生のうち 泰時にまさりて寵愛ふかき子多くありければ
其死後 泰時 所領を我弟妹におほく分あたへ
其身は少し請(うけ)けるを
尼将軍きき給ひ おどろきて
改(あらため)正しく分与へんと沙汰あるを
泰時深くとどめ申
彼等をおろそかになすは父の心ざしにあらずと
強て 初めのごとく分け与へけり
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