和漢廿四孝(柳下亭種員撰・重宣画)・23 楠正行
御簾の向こうに座ってらっしゃるお方が帝(後村上天皇)ね。ご尊顔は見えません。
『和漢廿四孝』(東北大学附属図書館所蔵)
出典: 国書データベース,https://doi.org/10.20730/100445689
楠正行(くすのきまさつら)
帯刀正行は 父正成 湊川に討死の後 その遺言をまもり
南朝の帝に仕へ奉り 忠戦数ヶ度におよびしかば
君 叡感あつて 弁内侍とてきこゆる美人を
宿の妻に賜らんとありければ
勅答の歌一首を奉りぬ
〇とても世に ながらふべくも あらぬ身の
かりのちぎりを いかでむすばん
南朝の美運をとくにさつし 君恩にいのちをすてんと
思ひきはめしものなり
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正行と弁内侍は戦いのない時代と場所に生まれ変わって幸せな家庭を築いてることでしょう。