コツコツ古典

間違いがあったらコメント下さい。

英雄図会(葛飾戴斗1825年)・16 内大臣重盛

清盛の嫡男、重盛。

ARC古典籍ポータルデータベースより

内大臣重盛(ないだいじん しげもり)
重盛は清盛の嫡子小松内大臣と号す 母は二位の尼 知盛重衡同腹の
兄なり 智仁勇三徳を兼備 平家(驕)奢の中に独(ひとり)慎みをふかく
下をあはれみ又よく父をいさめ仁厚勇猛並ぶものなし 治承元年上皇
寵臣成親 其ほか数輩平家を亡さんと謀る 或は誅し又は流罪
既に上皇にせまる 重盛これをいさめ 我館におゐて率(にわか)に軍勢を
集 君のために父を征せんとの体をなす これによつて漸(ようよう)
清盛のいかりをとき 父の悪行を悲しみ熊野の権現にまふで父の帰善を
いのり四十三歳にて薨す

ーーー

挿絵は熊野詣の場面かしらね。父清盛の増長を憂いつつ、自分に忍び寄る死の予感。一見楽しい物詣のようで、重盛の胸中は重苦しいものだったことでしょう。