2023-01-01から1年間の記事一覧
今井四郎兼平のお兄様ですねっ。なんとなく「次郎」のほうがしっくりくるんですけど、「二郎」って書いてあるから二郎さん。 国立国会図書館デジタルコレクションより 木曽の冠者義仲 北国加賀越中の境なる砺浪山 倶利伽羅峠の戦ひに樋口の二郎兼光は 比類な…
木曽義仲に最後まで従った、今井四郎兼平。身体に矢を何本も受けながら、敵をバッタバッタと倒していきます。 国立国会図書館デジタルコレクションより 元暦元年の正月 木曽義仲悪逆募りしかば 頼朝へ追討の院宣を給ふされば頼朝の代官として範頼義経両旗に…
後三年の役の一場面。右の人が鳥海弥三郎、左が源義家の家臣、鎌倉権五郎景政。 国立国会図書館デジタルコレクションより 源氏の始祖 六孫王経基の嫡流伊予守頼義公 奥州安倍頼時謀反せし時その討手を蒙り給ひ 奥州へ下りつつ 智計をもつて頼時を亡し 奥州平…
将門関係の若武者、武蔵野五郎貞世。 国立国会図書館デジタルコレクションより 朱雀の院天慶二年 葛原親王の嫡孫 滝口小二郎相馬の将門 幼年にして都に上り舎人の官人を務めゐたるに 伯父たる常陸の大掾国香 将門が幼年といひ 且上京の留守をはかり 彼が所領…
怪力の上に泳ぎが達者で鮫まで捕まえた人。 国立国会図書館デジタルコレクションより 和田左衛門尉義盛が三男 朝比奈の三郎義秀は 元来木曽義仲が妾腹の子にて巴御前といふ大力の女が腹に身ごもりてありし時 義盛軍功にかへて頼朝公に申こふて巴を妻とし そ…
新田義貞さん。文章は右のページから始まり、次のページの朝比奈三郎さんの陣地(?)を大きく侵略しています。赤線で囲んだ部分は新田義貞の説明文です。 国立国会図書館デジタルコレクションより 新田左中将源義貞朝臣は源家の正統にて後醍醐天皇に頼まれ…
取坂の城合戦。取坂城というのは新潟県胎内市にあったという鳥坂城のことのようです。 国立国会図書館デジタルコレクションより ここに越後の国 取坂の城に立てこもり 鎌倉の将軍頼家卿へ 敵対の色を表したる城四郎長茂(ながもち)は万夫不当の勇士にて鎌倉…
橋合戦で先陣を切った田原又太郎。最初に平清盛の話から始まって、次に源頼政の鵺退治の話。頼政の人気に清盛が嫉妬する一方、頼政は驕る平家を不愉快に思い、やがて戦へと発展し、最後にようやく又太郎の活躍シーン。文章詰め込み過ぎのような気が。 国立国…
軍記物に登場する武将は文武両道な人がよく登場しますが、平忠度もその代表格の一人ですね。取っ組み合いしてる右側の人が忠度卿。左側で顔が見えないのが岡部六弥太忠澄。 〇平家の貴族薩摩守忠度卿は和歌の上手にましまして 俊成卿を師として和学に秀で給…
新田義貞の弟、脇屋義助。敵を槍で一突きの図ですね。 国立国会図書館デジタルコレクションより (ここの絵解き) 新田左中将義貞公の舎弟 脇屋右衛門佐義助は御兄義貞と共に後醍醐天皇の綸旨を受け 鎌倉の執権北条高時一家を亡ぼさんとて上野の国より義兵を…
小柄な義経に翻弄される弁慶。義経は日の丸の扇で弁慶を煽ってるようです。 国立国会図書館デジタルコレクションより 読み始めここに熊野の別当べん正(「義経記」では弁せう)が一子幼名を鬼若と呼べる者成長して叡山にのぼり武蔵坊弁慶と名乗り 世に知られ…
さて「絵本故事談 巻之五」も無事終えられましたので次の書籍に入ります。次は「金縹題名将手鑑(きんげだいめいせうてかがみ)」という本です。 著 者 美図垣笑顔 作, 歌川国芳 画 出版者 藤岡屋彦太郎出版年月日 天保12 (1841) 国立国会図書館デジタルコレ…
新田四天王の一人、篠塚伊賀守重廣。 「早稲田大学図書館古典籍総合データベース」より 篠塚(しのつか)篠塚伊賀守は畠山重忠六世の孫にて新田義貞の勇士なり 大館氏明に偊(嘱?)して世田の城に在時大軍に攻破られ士卒ことことく戦死す 篠塚只一人死せす …
名将同士の一騎打ち、武田信玄と上杉謙信。こういう勝負見てみたいですねー。 「早稲田大学図書館古典籍総合データベース」より 信玄謙信(しんけん けんしん)武田信玄は姓は源新羅三郎二十七代の孫なり 世騎射の礼式を伝ふ甲州に知たり 初冠して大樹義晴公…
泉親衡さん。船を背負ってますね。どんなお方でしょうか! 「早稲田大学図書館古典籍総合データベース」より 泉親衡(いつみのちかひら)泉の親衡は信州の人なり 源満仲の後なり 勁力勇気万人に傑出す建暦癸の酉に隠謀露顕して党与十餘人つゐに囚虜となる工…
頼朝の命を狙って見つかって処刑されてしまった人。鱗を目に入れて片目の失明を偽装した、というところが後世に残るポイントだったのかしら。 「早稲田大学図書館古典籍総合データベース」より 上総忠光(かつさのたたみつ)忠光は平氏の従士にて上総五郎兵…
宇治川で先陣争い(1184年)をした佐々木高綱と梶原景季。前項の浄明一来のお話も舞台は宇治川でしたが、あちらは1180年のお話。 「早稲田大学図書館古典籍総合データベース」より 高綱景季(たかつな かけすゑ)佐々木四郎高綱は秀義か四男なり 頼朝義仲を…
「浄妙一来」という人ではなく、「浄妙さん」と「一来さん」というお二人のお坊さん。お二人ともお坊さんらしからぬ勇ましさ。平均台みたいな細い橋桁の上を飛び跳ねて敵に向かっていきます。川は京都の宇治川です。 「早稲田大学図書館古典籍総合データベー…
逃げる美尾屋十郎を追いかける悪七兵衛景清。 「早稲田大学図書館古典籍総合データベース」より 景清(かけきよ)悪七兵衛景清は何国の人といふ事を知らす 官上総の介たり 元暦の初教経に海西に従ふ 源平両家讃州八嶋において 合戦の日 美尾屋十郎逃去んとす…
木曽義仲の忠臣、今井兼平。 「早稲田大学図書館古典籍総合データベース」より 今井兼平(いまいのかねひら)今井四郎兼平は信州の人 中原兼遠が子樋口次郎兼光か弟なり母は木曽義仲の乳媼といふ 義仲 初(はしめ)孤(みなしこ)となりて信州に流落す 兼遠…
戦の際、新田義貞に従って播州へ向かった小山田高家。地元民の農地を荒らさないよう義貞が軍隊にお触れを出したにも関わらず、高家は飢えた兵士たちのために青麦を刈って食糧としてしまいました。 「早稲田大学図書館古典籍総合データベース」より 小山田高…
皇居に凛々しい騎馬像のある楠正成。正座している子は正行ですね。 「早稲田大学図書館古典籍総合データベース」より 楠正成(くすのきまさしけ)楠正成は姓は橘諸兄公の遠胤なり 字を多門兵衛といふ河州金剛山の西邑に居す 後醍醐の帝笠置に幸(みゆき)あ…
源頼政の子、仲綱と平宗盛のいがみあい。仲綱の愛馬、「木の下(このした)」を宗盛がほしがったことが発端。文章長いです。前頁の清盛より、ずーっと長いです。 「早稲田大学図書館古典籍総合データベース」より 源仲綱(みなもとのなかつな)仲綱は源光禄…
平家物語の最重要人物、清盛。 「早稲田大学図書館古典籍総合データベース」より 清盛(きよもり)平の清盛は備州の利史忠盛の子なり はじめ安芸守たりし時 海に航し伊勢の何能の浦(阿濃津)より熊野に赴 大なる鱸魚ありて躍て舩中に入る 舩中の人みな是を…
平治の乱で父の義朝が敗れ、朝長も一緒に逃げていたものの、彼は父親の足手まといになることを恐れました。 「早稲田大学図書館古典籍総合データベース」より 源朝長(みなもとのともなか)源の朝長は義朝第二の子なり 二條院の時平治の役にあふて義朝軍利あ…
怪力美女の巴姐さん。 「早稲田大学図書館古典籍総合データベース」より 巴(ともへ)女巴女は信州の産なり 木曽義仲これを納て妾とす 顔色清絶に容姿麗艶なり 加之(しかのみならす)気勇にしてよく弓戟を習ふ故に義仲に愛せらる 義仲戦陣に赴くごとに 巴必…
タイトルと本文冒頭でいきなり漢字が違っているニッタさん。 「早稲田大学図書館古典籍総合データベース」より 新田忠常(につたたたつね)仁田忠常は豆州の人なり 頼朝興起の始したがつて 石橋山に赴く又海東にも海西にも戦功を励さずといふことなし 加之(…
熊谷直貞の子、熊谷直実。挿絵は敦盛との一騎打ちの場面ですね。二人とも袋を背負ってます。流れ矢よけにつける母衣(ほろ)だそうです。 「早稲田大学図書館古典籍総合データベース」より 平直実(たいらのなをさね)熊谷直実は直貞か子なり 平治の擾乱に源…
知らない人だわーと思ったら熊谷直実のお父さんでした。 「早稲田大学図書館古典籍総合データベース」より 平直貞(たいらのなをさた)直貞は姓は平 桓武帝の遠裔直方の後二郎直実か父にて世武州の産なり 其居住の邑に猛熊有て多く人を害す 直貞少(わかく)…
老いを悟られないように白髪を染めて戦に挑み、討死した実盛。 「早稲田大学図書館古典籍総合データベース」より 実盛(さねもり)長井の実盛は越前の斎藤氏なり 保元に義朝に属して白川の官軍を襲ふ平治に義平に従て郁芳門を守る 其兵略節義挙ていふへから…