コツコツ古典

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2023-01-01から1年間の記事一覧

絵本故事談 巻之五・16 曽我兄弟

日本三大仇討ちの一つ、曽我兄弟。あとの二つは「赤穂事件」と「鍵屋の辻(伊賀越え)の決闘」です。 「早稲田大学図書館古典籍総合データベース」より 曽我兄弟(そかけうたい)曽我祐成同時致は河津祐泰か二子なり 祐泰没して後 曽我祐信に育せらる故に曽…

絵本故事談 巻之五・15 児嶋高徳

樹に「天莫空勾践 時非無范蠡」という漢詩を彫った児嶋高徳。 「早稲田大学図書館古典籍総合データベース」より 児嶋高徳(こしまたかのり)児嶋備後三郎高徳は宇多源氏佐々木の支流なり 元亨の乱に高徳志を官軍に通し義兵を起さんと欲す 既して笠置の城 陥…

絵本故事談 巻之五・14 源義経

記事の文章が他の人と比べて一段と長い義経。昔から人気あったんでしょうね。 「早稲田大学図書館古典籍総合データベース」より」 源義経(みなもとのよしつね)源の義経は小字(をさなく・幼名)は牛若と号す 世(よよ)武の将種(武将の血をひく者)なり平…

絵本故事談 巻之五・13 為朝

八郎御曹司為朝。 「早稲田大学図書館古典籍総合データベース」より 為朝(ためとも)源の為朝は義朝の弟 為義の八男なり 長七尺豺(おおかめ)の目猿の臂 膂力(りょりょく)人にすくれて よく勁(つよ)弓をひく 十三歳にて鎮西に至る 是を鎮西の八郎とい…

絵本故事談 巻之五・12 那須与市

はるか海上の扇を射ち落した弓の名人、那須与市。内海とは言え、多少は波で揺れたでしょうにね。 「早稲田大学図書館古典籍総合データベース」より那須与市(なすのよいち)那須の宗高は下野州の人なり 射を善くするを以て其名発す元暦の兵乱に義経に従ふ 八…

絵本故事談 巻之五・11 継信忠信

義経に仕えた、継信・忠信の佐藤兄弟。 「早稲田大学図書館古典籍総合データベース」より 継信(つきのふ)忠信(たたのふ)佐藤継信忠信は信夫の庄司元治か二子なり 鎮守府将軍秀衡か臣なり源義経平氏を征伐の時 秀衡二人を以て義経に属す 兄弟奥州を発て所…

絵本故事談 巻之五・10 忠盛

忠盛は平清盛のお父さん(実の親ではなさそうだけど)。 「早稲田大学図書館古典籍総合データベース」より 忠盛(たたもり)忠盛は桓武帝の苗裔讃岐守正盛の子にて智勇たくましき人なり 白川院の朝に当て禁裏を警衛す 帝の幸人祇園の社辺に在故に呼て祇園の…

絵本故事談 巻之五・9 佐々木盛綱

佐々木盛綱。 「早稲田大学図書館古典籍総合データベース」より 佐々木盛綱(ささきもりつな)佐々木三郎盛綱は宇多天皇の後胤 近江国佐々木の庄に住す 父秀義 源の為義と父子の約あり 是によつて平治の合戦に義朝に従て甚勲功を励む 義朝射(うた)れて秀義…

絵本故事談 巻之五・8 渡辺綱

頼光四天王の一人、渡辺綱。 「早稲田大学図書館古典籍総合データベース」より 渡辺綱(わたなへのつな)源の綱は渡部党の始祖なり 祖父源士むさしの任に赴てより武州の三田に住する者三世 因て名(なつけ)て三田の源次といふ武勇剛毅世に等き倫(ともから…

絵本故事談 巻之五・7 平維茂

「惟」茂だったり「維」茂だったりする、たいらのこれもち。英雄図会では「惟茂」、絵本故事談では「維茂」。 空白部分は次の渡辺綱さんについての記述と挿絵が入ります。 「早稲田大学図書館古典籍総合データベース」より 平維茂(たいらのこれもち)維茂は…

絵本故事談 巻之五・6 俵藤太秀郷

英雄図会でも登場した藤原秀郷。 「早稲田大学図書館古典籍総合データベース」より 俵藤太秀郷(たはらたうたひてさと)藤太秀郷は魚名公の玄孫河内守村雄の嫡嗣なり朱雀院の御宇に平親王将門と下総国辛島におゐて合戦し朝敵を亡し其勲功に依て鎮守府の将軍…

絵本故事談 巻之五・5 朝夷名三郎

和田義盛の三男。英雄図会では「朝比奈」三郎でしたが、こちらの本では「朝夷名」三郎。 「早稲田大学図書館古典籍総合データベース」より朝夷名(あさいな)三郎朝夷名義秀は和田義盛第三の子にて勇力無双の士なり 義盛一年将軍実朝又北條義時を恨るの趣意…

絵本故事談 巻之五・4 義家

建物の中から庭の松の木に吊るした鎧を射る源義家。 「早稲田大学図書館古典籍総合データベース」より 義家(よしいゑ)源の義家は頼義の嫡子なり 七歳の時男山に於ゐて元服し 八幡太郎と号す壮年に及ひて有力人に勝れ弓勢鉄楯を貫く清原の武則か所望によつ…

絵本故事談 巻之五・3 源頼政

平等院・扇の芝で散った頼政。武芸にも和歌にも堪能だったのに。 「早稲田大学図書館古典籍総合データベース」より 源頼政(みなもとのよりまさ)頼政は源の頼光に五代兵庫頭仲正の子なり 射を善(よく)す近衛帝の御宇に禁裏におゐて闇中に化鳥を射て其名大…

絵本故事談 巻之五・2 源頼光

二人目は源頼光。多田満仲の息子さん。 「早稲田大学図書館古典籍総合データベース」より 源頼光(みなもとのらいくはう)頼光は満仲の長子にて智勇を以て世に顕る 一条院の御宇に摂津守に任し鎮守府将軍たり 曽て舎弟頼信の宅に赴き 厩に一人の童子を縛し置…

絵本故事談 巻之五・1 日本武尊

トップは日本武尊。 「早稲田大学図書館古典籍総合データベース」より 日本武尊(やまとたけのみこと)尊は景行帝の御子なり 帝の皇后同日同胞にして雙生し給ふ 俗にいふ ふた子なり帝これを異とし碓になそらへて二(ふたり)の皇子を大碓小碓と號(なつけ)…

絵本故事談 巻之五(橘有税1714)

明日からは絵本故事談の巻之五をご紹介していきます。 「早稲田大学図書館古典籍総合データベース」より 絵本故事談は八巻まであり、それぞれ30人前後の人物が紹介されています。なぜいきなり第五巻なのかというと、この五巻だけ収録されているのが全員日本…

英雄図会(葛飾戴斗1825年)・27 元帥道臣命 (完)

本書最後の英雄は道臣命さん。 ARC古典籍ポータルデータベースより 元帥道臣命(げんすい みちのおんのみこと)人皇第一神武天皇の王臣 忠義純厚の人なり 宇摩志麻治命と伴に元帥として中津国に発向し給ふ時に 山中けはしく道を失ひしが天照大神の告ありて …

英雄図会(葛飾戴斗1825年)・26 上杉謙信 武田信玄

川中島での一騎打ち、信玄と謙信の名勝負。 ARC古典籍ポータルデータベースより 上杉弾正大弼兼飛騨守藤原輝虎入道謙信 武田大膳太夫兼信濃守源晴信入道信玄 両将ともに智勇兼備の名将たること世以て戦国の美談とす就中 信州川中嶋合戦 単騎にして両虎の大勇…

英雄図会(葛飾戴斗1825年)・25 楠正成

楠正成と正行親子。父から子へ、巻物を手渡しています。 ARC古典籍ポータルデータベースより 楠正成(くすのきまさしげ) 楠正行(くすのきまさつら)楠正成は敏達天皇の後胤 橘正玄(まさはる)が子なり 童名多門丸曽て正玄夫婦子なきを歎き信貴山多聞天に…

英雄図会(葛飾戴斗1825年)・24 大塔宮

征夷大将軍にまでなったのに非業の死を迎えた大塔宮護良親王。 ARC古典籍ポータルデータベースより 大塔宮(おほとうのみや)大塔宮(おほたうのみや)護良親王は幼少の御時より知謀勇力人に勝れ高時(驕?)奢に恗(ほこ)り朝庭(廷)の日々衰ることを憤り…

英雄図会(葛飾戴斗1825年)・23 佐々木盛綱

佐々木信綱と塩焼藤太さん。塩焼藤太って誰? ARC古典籍ポータルデータベースより 佐々木盛綱(ささきもりつな) 塩焼藤太(しほやきとうだ)宇多源氏棟梁佐々木源三秀義の三男加地左兵衛尉盛綱入道西念は鎌倉の昵勤にして高綱の兄定綱の弟なり 父子兄弟いつ…

英雄図会(葛飾戴斗1825年)・22 朝比奈三郎 足利義氏

和田義盛の三男、朝比奈三郎。この人も怪力。 ARC古典籍ポータルデータベースより 朝比奈三郎 足利義氏八幡太郎義家の五代足利義兼が次男佐馬頭義氏は北条時政が娘のうむ処にして鎌倉御一門の列にて威勢尤厳なり 建保元年五月 和田義盛北条義時か館を囲せむ…

英雄図会(葛飾戴斗1825年)・21 畠山重忠

畠山重忠。人気のある武将さんですよね。 ARC古典籍ポータルデータベースより 畠山重忠(はたけやましげただ)重忠は畠山庄司重能が嫡子にて鎮守府将軍良兼の末孫秩父六郎将恒の後胤なり 代々源家に随従して武蔵国の守衛たり 重忠は畠山庄司二郎と号す 母は…

英雄図会(葛飾戴斗1825年)・20 源太景季

梶原景季。背中に梅の枝が見えます。 ARC古典籍ポータルデータベースより 源太景季(げんたかげすへ)景季は村岡五郎忠通の六代の孫梶原平三景時の長子にて平氏の氏族たりといへども 父景時頼朝公に仕へて出頭たりしゆへ 景季源の字を拝領して源太左衛門尉と…

英雄図会(葛飾戴斗1825年)・19 上総之助廣常

「鎌倉殿の13人」では佐藤浩市さんが好演されていた上総廣常。 ARC古典籍ポータルデータベースより 上総之助廣常(かづさのすけひろつね)桓武帝の後胤 千葉の上総之介忠常の七代 千葉八郎廣常は頼朝卿に仕へて上総介に任じ保元以後軍功あまたありけるが 寿…

英雄図会(葛飾戴斗1825年)・18 弁慶 源義経

花咲く木の脇で、弁慶が札に何か書こうとしています。義経は折り畳み椅子に座って弁慶を見ています。花は梅かと思ったら桜でした。根元の方から花をつけた新しい枝がたくさん伸びる、若木の桜。 歌舞伎「一谷嫩軍記(いちのたにふたばぐんき、1751初演)」の…

英雄図会(葛飾戴斗1825年)・17 義仲 巴の前

中心の女武者は巴御前。右手遠くのほうにちらっと木曽義仲。 ARC古典籍ポータルデータベースより 義仲(よしなか) 巴の前(ともえのまえ)義仲は義賢の長子 義賢討れ給ふ時は二才にして中三権頭兼遠が養ひうけ木曽山中に隠れ成長給ふ 幼名駒王丸 平家追討の…

英雄図会(葛飾戴斗1825年)・16 内大臣重盛

清盛の嫡男、重盛。 ARC古典籍ポータルデータベースより 内大臣重盛(ないだいじん しげもり)重盛は清盛の嫡子小松内大臣と号す 母は二位の尼 知盛重衡同腹の兄なり 智仁勇三徳を兼備 平家(驕)奢の中に独(ひとり)慎みをふかく下をあはれみ又よく父をいさ…

英雄図会(葛飾戴斗1825年)・15 頼政と猪早太

頼政による鵺退治のお話。 ARC古典籍ポータルデータベースより 頼政 猪早太(よりまさ)(いのはやだ)源三位頼政が文武兼備へたる勇士にして尤歌道の誉世に高し射術殊に秀たればとて近衛院の御時勅によつて雲間の怪鳥を射る家臣猪早太なるもの有力勝れたり …