コツコツ古典

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英雄図会(葛飾戴斗1825年)・22 朝比奈三郎 足利義氏

和田義盛の三男、朝比奈三郎。この人も怪力。

ARC古典籍ポータルデータベースより

朝比奈三郎 足利義氏
八幡太郎義家の五代足利義兼が次男佐馬頭義氏は北条時政が娘のうむ処にして
鎌倉御一門の列にて威勢尤厳なり 建保元年五月 和田義盛北条義時か館を囲せむる
義時法花堂の留主たれば漸残臣五十余人出合しが ことごとくうたれたりしに
義時泰時朝時等と共に加勢してたたかひしが 朝比奈三郎惣門を押やぶりて
込入 政所の前の橋詰にて義氏に出合 例の鉄棒にて戦ひ義氏が鎧の袖を
つかみ引おろさんとする 義氏馬にむちをあて丈余の堀をとびこえ寛尓(莞爾?)と
わらふて立たまふ よろいちぎれて袖は朝比奈が手にのこりける 
両雄の力の程天晴勇々しかりける

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朝比奈三郎は馬上の義氏の鎧の袖を掴みました。義氏はそれを振り切ってお堀をひらりと飛び越えました。義氏の鎧の袖は千切れ、三郎の手の中に残りました。どちらも強者、両雄の激突は引き分け~。