コツコツ古典

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金縹題名将手鑑(歌川国芳1841)

金縹題名将手鑑 下之巻・22 源為朝 (完)

大トリは御曹司為朝。 国立国会図書館デジタルコレクションより 源為朝鎮西八郎源為朝は六条判官為義の八男義朝の弟なり 近衛の院の久寿元年筑紫にて生まれし故 鎮西八郎と号す 日本無双万夫不当の豪傑 ことに弓勢に優れし事世の人の知るところなり かつて肥…

金縹題名将手鑑 下之巻・21 武蔵坊弁慶

弁慶は敵の矢を全身に受け、それでも倒れることなく仁王立ちのまま息を引き取っていました。有名な弁慶の立往生ですね。この絵は弁慶の壮絶な最期・・・と思いきや、弁慶が自分に似せて作った人形でした。 国立国会図書館デジタルコレクションより ここに武…

金縹題名将手鑑 下之巻・20 衣川合戦

義経一行VS藤原泰衡、衣(ころも)川の合戦の場面です。 国立国会図書館デジタルコレクションより 去んぬる文治二年土佐坊を討つて奥州へ下り給ひし義経を討たんとて源二位頼朝の下知として まづ御館秀衡の方へ使ひを立て 義経を討てとあれ共 秀衡否みてこれ…

金縹題名将手鑑 下之巻・19 比企能員と仁田四郎

北条方の仁田四郎に羽交い絞めにされている比企能員。烏帽子を被って、動きにくい長袴を穿いているのが能員ですね。長袴なんか着てたら戦えないというか、歩くのも大変そう。 国立国会図書館デジタルコレクションより 比企判官能員は鎌倉右大将頼朝公(そう…

金縹題名将手鑑 下之巻・18 梶原景季

謡曲「箙」の人。箙に梅の枝を挿して戦った粋な景季。 国立国会図書館デジタルコレクションより ここに梶原平三景時が嫡子 源太景季は人に勝れし功名をせんとて生田の森の敵陣なる一の木戸を一番乗りして味方の勢を繰り込みたり馬もすでに乗り倒し徒歩立とな…

金縹題名将手鑑 下之巻・17 一ノ谷合戦

一ノ谷の合戦の様子。 国立国会図書館デジタルコレクションより 相模の国鎌倉に頼朝ゐながら平家を討たんと 舎弟範頼義経に下知して摂州一の谷を攻めんとて義経は搦手へ回り 範頼は大手生田の森へ押し寄する平家方にもこれを見て多勢を出だして戦ふたり 此時…

金縹題名将手鑑 下之巻・16 義経と教経

「義経の八艘飛び」で有名な場面ですね。 国立国会図書館デジタルコレクションより 九郎判官源義経公はその才知凡人ならず 謀すべて図に当たり一の谷 鉄拐が峰の逆落としに平家は一戦にも及ばず ことごとく船に取乗り波に漂ふ その折から讃岐の国八嶋壇の浦…

金縹題名将手鑑 下之巻・15 巴御前

今井四郎の妹、巴御前。美人かつ勇猛。今井四郎と樋口二郎、義仲四天王の二人を兄に持つ巴。最強兄妹ですね。 国立国会図書館デジタルコレクションより 木曽中三権頭兼遠が娘 今井の四郎兼平が妹 巴御前は朝日将軍義仲公の思ひ者なり 容顔美麗にして心優しく…

金縹題名将手鑑 下之巻・14 平清盛

扇を掲げて海の彼方の太陽を見つめる清盛。 国立国会図書館デジタルコレクションより 刑部卿忠盛の嫡子平清盛は一門広く子息重盛宗盛をはじめ数多あり御娘は入内して建礼門院と申奉り安徳天皇の母君たりされば外戚の威光 一門一家に及ぼし 月卿雲客 高位高官…

金縹題名将手鑑 下之巻・13 俣野五郎と真田与市

組み合いながら崖を落ちていく武将二人。よく描けますねえ、こんな絵。 国立国会図書館デジタルコレクションより 高倉の院の治承四年八月十七日 右兵衛佐頼朝 旗を挙げて山木兼隆を夜討ちにし同十九日 小早川の合戦に打ち負け 石橋山に敗軍して土肥の杉山に…

金縹題名将手鑑 下之巻・12 堀川御所の義経

あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。 本日より金縹題名将手鑑の下の巻に取り掛かります。番号は上巻からの続きで12から始めます。次ページの赤で囲んだ部分までが義経の説明文です。金縹題名将手鑑上下巻で義経は三回登場します。…

金縹題名将手鑑 上之巻・11 樋口二郎兼光

今井四郎兼平のお兄様ですねっ。なんとなく「次郎」のほうがしっくりくるんですけど、「二郎」って書いてあるから二郎さん。 国立国会図書館デジタルコレクションより 木曽の冠者義仲 北国加賀越中の境なる砺浪山 倶利伽羅峠の戦ひに樋口の二郎兼光は 比類な…

金縹題名将手鑑 上之巻・10 今井四郎兼平

木曽義仲に最後まで従った、今井四郎兼平。身体に矢を何本も受けながら、敵をバッタバッタと倒していきます。 国立国会図書館デジタルコレクションより 元暦元年の正月 木曽義仲悪逆募りしかば 頼朝へ追討の院宣を給ふされば頼朝の代官として範頼義経両旗に…

金縹題名将手鑑 上之巻・9 鳥海弥三郎と権五郎景政

後三年の役の一場面。右の人が鳥海弥三郎、左が源義家の家臣、鎌倉権五郎景政。 国立国会図書館デジタルコレクションより 源氏の始祖 六孫王経基の嫡流伊予守頼義公 奥州安倍頼時謀反せし時その討手を蒙り給ひ 奥州へ下りつつ 智計をもつて頼時を亡し 奥州平…

金縹題名将手鑑 上之巻・8 武蔵五郎貞世

将門関係の若武者、武蔵野五郎貞世。 国立国会図書館デジタルコレクションより 朱雀の院天慶二年 葛原親王の嫡孫 滝口小二郎相馬の将門 幼年にして都に上り舎人の官人を務めゐたるに 伯父たる常陸の大掾国香 将門が幼年といひ 且上京の留守をはかり 彼が所領…

金縹題名将手鑑 上之巻・7 朝比奈三郎

怪力の上に泳ぎが達者で鮫まで捕まえた人。 国立国会図書館デジタルコレクションより 和田左衛門尉義盛が三男 朝比奈の三郎義秀は 元来木曽義仲が妾腹の子にて巴御前といふ大力の女が腹に身ごもりてありし時 義盛軍功にかへて頼朝公に申こふて巴を妻とし そ…

金縹題名将手鑑 上之巻・6 新田義貞

新田義貞さん。文章は右のページから始まり、次のページの朝比奈三郎さんの陣地(?)を大きく侵略しています。赤線で囲んだ部分は新田義貞の説明文です。 国立国会図書館デジタルコレクションより 新田左中将源義貞朝臣は源家の正統にて後醍醐天皇に頼まれ…

金縹題名将手鑑 上之巻・5 取坂の城合戦

取坂の城合戦。取坂城というのは新潟県胎内市にあったという鳥坂城のことのようです。 国立国会図書館デジタルコレクションより ここに越後の国 取坂の城に立てこもり 鎌倉の将軍頼家卿へ 敵対の色を表したる城四郎長茂(ながもち)は万夫不当の勇士にて鎌倉…

金縹題名将手鑑 上之巻・4 田原又太郎(足利又太郎)

橋合戦で先陣を切った田原又太郎。最初に平清盛の話から始まって、次に源頼政の鵺退治の話。頼政の人気に清盛が嫉妬する一方、頼政は驕る平家を不愉快に思い、やがて戦へと発展し、最後にようやく又太郎の活躍シーン。文章詰め込み過ぎのような気が。 国立国…

金縹題名将手鑑 上之巻・3 平忠度と岡部六弥太

軍記物に登場する武将は文武両道な人がよく登場しますが、平忠度もその代表格の一人ですね。取っ組み合いしてる右側の人が忠度卿。左側で顔が見えないのが岡部六弥太忠澄。 〇平家の貴族薩摩守忠度卿は和歌の上手にましまして 俊成卿を師として和学に秀で給…

金縹題名将手鑑 上之巻・2 脇屋義助

新田義貞の弟、脇屋義助。敵を槍で一突きの図ですね。 国立国会図書館デジタルコレクションより (ここの絵解き) 新田左中将義貞公の舎弟 脇屋右衛門佐義助は御兄義貞と共に後醍醐天皇の綸旨を受け 鎌倉の執権北条高時一家を亡ぼさんとて上野の国より義兵を…

金縹題名将手鑑 上之巻・1 義経と弁慶

小柄な義経に翻弄される弁慶。義経は日の丸の扇で弁慶を煽ってるようです。 国立国会図書館デジタルコレクションより 読み始めここに熊野の別当べん正(「義経記」では弁せう)が一子幼名を鬼若と呼べる者成長して叡山にのぼり武蔵坊弁慶と名乗り 世に知られ…

金縹題名将手鑑(きんげだいめいせうてかがみ)

さて「絵本故事談 巻之五」も無事終えられましたので次の書籍に入ります。次は「金縹題名将手鑑(きんげだいめいせうてかがみ)」という本です。 著 者 美図垣笑顔 作, 歌川国芳 画 出版者 藤岡屋彦太郎出版年月日 天保12 (1841) 国立国会図書館デジタルコレ…