コツコツ古典

間違いがあったらコメント下さい。

金縹題名将手鑑 下之巻・14 平清盛

扇を掲げて海の彼方の太陽を見つめる清盛。

国立国会図書館デジタルコレクションより

刑部卿忠盛の嫡子平清盛は一門広く子息重盛宗盛をはじめ数多あり
御娘は入内して建礼門院と申奉り安徳天皇の母君たり
されば外戚の威光 一門一家に及ぼし 月卿雲客 高位高官に至り
本朝の例もなき 清盛が官 太政大臣を汚し その身 我意に募る事
目を驚かすばかりにて 桓武天皇より数代の都を福原へ移し 安徳帝
当今とし 栄耀栄華身に余り 摂州兵庫に築島を築かんと 莫大の費へを厭はず
民百姓を苦しむること 大方ならねど いまだとかくにらちあかず
こは人柱といふを立てて水神を祀らばよからんと聞きて 松王丸といふ稚児を
沈めて人柱としてければ やうやく築島成就せんとする日に はや日影西山に
入りぬ 清盛大きに望みを失ひ 軍扇取つて すつくと立ち 
威勢に誇りし大声にて しばししばしと日を招けば 入日は再び光を放ち
遠山の端に上りぬといふ
この築島を経の島といひ 今は観世音の御堂あり 清盛多年の悪逆積り 幾程もなく
業病にて身まかりぬ 清盛死して平家廿余年の栄華もたちまち滅びて その子孫
跡形もなくなり果てぬ 盛んなる者は又衰ふるもいと速かり 恐るべきことならずや
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↓こちらは英雄図会の12平清盛。清盛は偉そうに何やってんだろうと思っていました。築島造成工事の折、水平線に沈む夕日に向かって「ちょっと待った」と清盛が大声で怒鳴ったら夕日が素直に戻ってきた、というそんなバナナな場面だったんですね。

 

さて、今回の挿絵の右下に書かれているのは何か、気になりますよねっ(ならない?)。

〇おんかほのくすり 仙女香(せんじょこう)

〇しらがそめ薬 美玄香 (びげんこう)

右相変わらず御用ねがひ上候

江戸京橋南てんま町三丁目 坂本氏

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