コツコツ古典

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絵本故事談5(橘有税1714)

絵本故事談 巻之五・34 篠塚 (完)

新田四天王の一人、篠塚伊賀守重廣。 「早稲田大学図書館古典籍総合データベース」より 篠塚(しのつか)篠塚伊賀守は畠山重忠六世の孫にて新田義貞の勇士なり 大館氏明に偊(嘱?)して世田の城に在時大軍に攻破られ士卒ことことく戦死す 篠塚只一人死せす …

絵本故事談 巻之五・33 信玄謙信

名将同士の一騎打ち、武田信玄と上杉謙信。こういう勝負見てみたいですねー。 「早稲田大学図書館古典籍総合データベース」より 信玄謙信(しんけん けんしん)武田信玄は姓は源新羅三郎二十七代の孫なり 世騎射の礼式を伝ふ甲州に知たり 初冠して大樹義晴公…

絵本故事談 巻之五・32 泉親衡

泉親衡さん。船を背負ってますね。どんなお方でしょうか! 「早稲田大学図書館古典籍総合データベース」より 泉親衡(いつみのちかひら)泉の親衡は信州の人なり 源満仲の後なり 勁力勇気万人に傑出す建暦癸の酉に隠謀露顕して党与十餘人つゐに囚虜となる工…

絵本故事談 巻之五・31 上総忠光

頼朝の命を狙って見つかって処刑されてしまった人。鱗を目に入れて片目の失明を偽装した、というところが後世に残るポイントだったのかしら。 「早稲田大学図書館古典籍総合データベース」より 上総忠光(かつさのたたみつ)忠光は平氏の従士にて上総五郎兵…

絵本故事談 巻之五・30 高綱景季

宇治川で先陣争い(1184年)をした佐々木高綱と梶原景季。前項の浄明一来のお話も舞台は宇治川でしたが、あちらは1180年のお話。 「早稲田大学図書館古典籍総合データベース」より 高綱景季(たかつな かけすゑ)佐々木四郎高綱は秀義か四男なり 頼朝義仲を…

絵本故事談 巻之五・29 浄明一来

「浄妙一来」という人ではなく、「浄妙さん」と「一来さん」というお二人のお坊さん。お二人ともお坊さんらしからぬ勇ましさ。平均台みたいな細い橋桁の上を飛び跳ねて敵に向かっていきます。川は京都の宇治川です。 「早稲田大学図書館古典籍総合データベー…

絵本故事談 巻之五・28 景清

逃げる美尾屋十郎を追いかける悪七兵衛景清。 「早稲田大学図書館古典籍総合データベース」より 景清(かけきよ)悪七兵衛景清は何国の人といふ事を知らす 官上総の介たり 元暦の初教経に海西に従ふ 源平両家讃州八嶋において 合戦の日 美尾屋十郎逃去んとす…

絵本故事談 巻之五・27 今井兼平

木曽義仲の忠臣、今井兼平。 「早稲田大学図書館古典籍総合データベース」より 今井兼平(いまいのかねひら)今井四郎兼平は信州の人 中原兼遠が子樋口次郎兼光か弟なり母は木曽義仲の乳媼といふ 義仲 初(はしめ)孤(みなしこ)となりて信州に流落す 兼遠…

絵本故事談 巻之五・26 小山田高家

戦の際、新田義貞に従って播州へ向かった小山田高家。地元民の農地を荒らさないよう義貞が軍隊にお触れを出したにも関わらず、高家は飢えた兵士たちのために青麦を刈って食糧としてしまいました。 「早稲田大学図書館古典籍総合データベース」より 小山田高…

絵本故事談 巻之五・25 楠正成

皇居に凛々しい騎馬像のある楠正成。正座している子は正行ですね。 「早稲田大学図書館古典籍総合データベース」より 楠正成(くすのきまさしけ)楠正成は姓は橘諸兄公の遠胤なり 字を多門兵衛といふ河州金剛山の西邑に居す 後醍醐の帝笠置に幸(みゆき)あ…

絵本故事談 巻之五・24 源仲綱

源頼政の子、仲綱と平宗盛のいがみあい。仲綱の愛馬、「木の下(このした)」を宗盛がほしがったことが発端。文章長いです。前頁の清盛より、ずーっと長いです。 「早稲田大学図書館古典籍総合データベース」より 源仲綱(みなもとのなかつな)仲綱は源光禄…

絵本故事談 巻之五・23 清盛

平家物語の最重要人物、清盛。 「早稲田大学図書館古典籍総合データベース」より 清盛(きよもり)平の清盛は備州の利史忠盛の子なり はじめ安芸守たりし時 海に航し伊勢の何能の浦(阿濃津)より熊野に赴 大なる鱸魚ありて躍て舩中に入る 舩中の人みな是を…

絵本故事談 巻之五・22 源朝長

平治の乱で父の義朝が敗れ、朝長も一緒に逃げていたものの、彼は父親の足手まといになることを恐れました。 「早稲田大学図書館古典籍総合データベース」より 源朝長(みなもとのともなか)源の朝長は義朝第二の子なり 二條院の時平治の役にあふて義朝軍利あ…

絵本故事談 巻之五・21 巴女

怪力美女の巴姐さん。 「早稲田大学図書館古典籍総合データベース」より 巴(ともへ)女巴女は信州の産なり 木曽義仲これを納て妾とす 顔色清絶に容姿麗艶なり 加之(しかのみならす)気勇にしてよく弓戟を習ふ故に義仲に愛せらる 義仲戦陣に赴くごとに 巴必…

絵本故事談 巻之五・20 新田忠常

タイトルと本文冒頭でいきなり漢字が違っているニッタさん。 「早稲田大学図書館古典籍総合データベース」より 新田忠常(につたたたつね)仁田忠常は豆州の人なり 頼朝興起の始したがつて 石橋山に赴く又海東にも海西にも戦功を励さずといふことなし 加之(…

絵本故事談 巻之五・19 平直実(熊谷直実)

熊谷直貞の子、熊谷直実。挿絵は敦盛との一騎打ちの場面ですね。二人とも袋を背負ってます。流れ矢よけにつける母衣(ほろ)だそうです。 「早稲田大学図書館古典籍総合データベース」より 平直実(たいらのなをさね)熊谷直実は直貞か子なり 平治の擾乱に源…

絵本故事談 巻之五・18 平直貞

知らない人だわーと思ったら熊谷直実のお父さんでした。 「早稲田大学図書館古典籍総合データベース」より 平直貞(たいらのなをさた)直貞は姓は平 桓武帝の遠裔直方の後二郎直実か父にて世武州の産なり 其居住の邑に猛熊有て多く人を害す 直貞少(わかく)…

絵本故事談 巻之五・17 実盛

老いを悟られないように白髪を染めて戦に挑み、討死した実盛。 「早稲田大学図書館古典籍総合データベース」より 実盛(さねもり)長井の実盛は越前の斎藤氏なり 保元に義朝に属して白川の官軍を襲ふ平治に義平に従て郁芳門を守る 其兵略節義挙ていふへから…

絵本故事談 巻之五・16 曽我兄弟

日本三大仇討ちの一つ、曽我兄弟。あとの二つは「赤穂事件」と「鍵屋の辻(伊賀越え)の決闘」です。 「早稲田大学図書館古典籍総合データベース」より 曽我兄弟(そかけうたい)曽我祐成同時致は河津祐泰か二子なり 祐泰没して後 曽我祐信に育せらる故に曽…

絵本故事談 巻之五・15 児嶋高徳

樹に「天莫空勾践 時非無范蠡」という漢詩を彫った児嶋高徳。 「早稲田大学図書館古典籍総合データベース」より 児嶋高徳(こしまたかのり)児嶋備後三郎高徳は宇多源氏佐々木の支流なり 元亨の乱に高徳志を官軍に通し義兵を起さんと欲す 既して笠置の城 陥…

絵本故事談 巻之五・14 源義経

記事の文章が他の人と比べて一段と長い義経。昔から人気あったんでしょうね。 「早稲田大学図書館古典籍総合データベース」より」 源義経(みなもとのよしつね)源の義経は小字(をさなく・幼名)は牛若と号す 世(よよ)武の将種(武将の血をひく者)なり平…

絵本故事談 巻之五・13 為朝

八郎御曹司為朝。 「早稲田大学図書館古典籍総合データベース」より 為朝(ためとも)源の為朝は義朝の弟 為義の八男なり 長七尺豺(おおかめ)の目猿の臂 膂力(りょりょく)人にすくれて よく勁(つよ)弓をひく 十三歳にて鎮西に至る 是を鎮西の八郎とい…

絵本故事談 巻之五・12 那須与市

はるか海上の扇を射ち落した弓の名人、那須与市。内海とは言え、多少は波で揺れたでしょうにね。 「早稲田大学図書館古典籍総合データベース」より那須与市(なすのよいち)那須の宗高は下野州の人なり 射を善くするを以て其名発す元暦の兵乱に義経に従ふ 八…

絵本故事談 巻之五・11 継信忠信

義経に仕えた、継信・忠信の佐藤兄弟。 「早稲田大学図書館古典籍総合データベース」より 継信(つきのふ)忠信(たたのふ)佐藤継信忠信は信夫の庄司元治か二子なり 鎮守府将軍秀衡か臣なり源義経平氏を征伐の時 秀衡二人を以て義経に属す 兄弟奥州を発て所…

絵本故事談 巻之五・10 忠盛

忠盛は平清盛のお父さん(実の親ではなさそうだけど)。 「早稲田大学図書館古典籍総合データベース」より 忠盛(たたもり)忠盛は桓武帝の苗裔讃岐守正盛の子にて智勇たくましき人なり 白川院の朝に当て禁裏を警衛す 帝の幸人祇園の社辺に在故に呼て祇園の…

絵本故事談 巻之五・9 佐々木盛綱

佐々木盛綱。 「早稲田大学図書館古典籍総合データベース」より 佐々木盛綱(ささきもりつな)佐々木三郎盛綱は宇多天皇の後胤 近江国佐々木の庄に住す 父秀義 源の為義と父子の約あり 是によつて平治の合戦に義朝に従て甚勲功を励む 義朝射(うた)れて秀義…

絵本故事談 巻之五・8 渡辺綱

頼光四天王の一人、渡辺綱。 「早稲田大学図書館古典籍総合データベース」より 渡辺綱(わたなへのつな)源の綱は渡部党の始祖なり 祖父源士むさしの任に赴てより武州の三田に住する者三世 因て名(なつけ)て三田の源次といふ武勇剛毅世に等き倫(ともから…

絵本故事談 巻之五・7 平維茂

「惟」茂だったり「維」茂だったりする、たいらのこれもち。英雄図会では「惟茂」、絵本故事談では「維茂」。 空白部分は次の渡辺綱さんについての記述と挿絵が入ります。 「早稲田大学図書館古典籍総合データベース」より 平維茂(たいらのこれもち)維茂は…

絵本故事談 巻之五・6 俵藤太秀郷

英雄図会でも登場した藤原秀郷。 「早稲田大学図書館古典籍総合データベース」より 俵藤太秀郷(たはらたうたひてさと)藤太秀郷は魚名公の玄孫河内守村雄の嫡嗣なり朱雀院の御宇に平親王将門と下総国辛島におゐて合戦し朝敵を亡し其勲功に依て鎮守府の将軍…

絵本故事談 巻之五・5 朝夷名三郎

和田義盛の三男。英雄図会では「朝比奈」三郎でしたが、こちらの本では「朝夷名」三郎。 「早稲田大学図書館古典籍総合データベース」より朝夷名(あさいな)三郎朝夷名義秀は和田義盛第三の子にて勇力無双の士なり 義盛一年将軍実朝又北條義時を恨るの趣意…