コツコツ古典

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絵本故事談 巻之五・31 上総忠光

頼朝の命を狙って見つかって処刑されてしまった人。鱗を目に入れて片目の失明を偽装した、というところが後世に残るポイントだったのかしら。

早稲田大学図書館古典籍総合データベース」より

上総忠光(かつさのたたみつ)
忠光は平氏の従士にて上総五郎兵衛と称す 後鳥羽院 建久三年に
永福寺の新堂を経営する時 頼朝これを検御覧せらる 
忠光 魚鱗を以て左の眼を蔽ひ 偽れ眇なる者のことくして
剱を懐て縣役の間に紛居て頼朝を狙て刺殺さんと欲す 
頼朝潜に是を知り 是を怪み景時をして捕て問しむ
忠光ありの侭を以て答ふ 即景時に命てこれを殺す

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吾妻鏡 巻十二」には建久三年1月21日に忠光の暗殺計画が露見し、2月24日に六連(むつら)の海辺で梟首、と書かれています。

 

こちらは「前賢故実 巻第7」の上総忠光。頼朝暗殺のため作業員に紛れ込んで土石を運びつつ、チャンスを狙ってるんですね。