コツコツ古典

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絵本故事談 巻之五・13 為朝

八郎御曹司為朝。

早稲田大学図書館古典籍総合データベース」より

為朝(ためとも)
源の為朝は義朝の弟 為義の八男なり 長七尺豺(おおかめ)の目
猿の臂 膂力(りょりょく)人にすくれて よく勁(つよ)弓をひく 十三歳にて鎮
西に至る 是を鎮西の八郎といふ 戦へは勝 攻れば取る 十五
歳に至て遂に九州を押領す 人是を訴るに因て召れ
て 洛(みやこ)に帰る 年十八歳明年保元の乱に父と同しく
崇徳上皇の宮を護す 敵兵を射殺すこと多し 衆辟
易せすといふことなし 既にして上皇南狩し給ひ為朝伊豆
の大嶋に謫せらる 嶋人ならひに邊夷皆畏伏す 嶋に
あること十年餘 嘉應年中官兵来て是を攻 為朝
一箭に蒙衡(衝?)(もうせう・いくさふね)を射破て遂に自殺す 年三十三なり

 

世俗に為朝鬼か嶋にわたり 持ところの弓をあたへて 其力量をはか
らしむるに鬼あへてひくことあたはす つゐにふくしてつかふといひつたへて
鬼形をゑかくものはこれなり

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