コツコツ古典

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絵本故事談 巻之五・10 忠盛

忠盛は平清盛のお父さん(実の親ではなさそうだけど)。

早稲田大学図書館古典籍総合データベース」より

忠盛(たたもり)
忠盛は桓武帝の苗裔讃岐守正盛の子にて智勇たくましき人なり 
白川院の朝に当て禁裏を警衛す 帝の幸人祇園の社辺に在故に呼て
祇園の女御といふ 帝ひそかに此に御幸し給ふ折節五月下旬
霖雨ふりつつきて夜殊に闇し 此に来れる者あり 頭は銀針のことくに
ひかり 手に異物を携て其怪こといふはかりなし
忠盛おもへらく 過(あやまち)て故なきを殺へからすと
即走往て捕へたるに果して御堂に燈を捧る法師 雨を防ため
麦穀を被(かつき)たるか火に曜(かかやけ)るなり 
帝 其仁勇を感して遂に女御を以て忠盛に姻(とつか)しめ給ふとなり

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祇園女御の家のそばのお堂に鬼が出るという噂。退治を命ぜられた忠盛が向かう。そこに現れた怪しい人影は妖怪かと思いきや、60歳くらいのお坊さんが変な格好して歩いてただけだった、殺さなくてよかった、という話。「平家物語 巻第六 祇園女御の事」より。

確かに怪しい。