金縹題名将手鑑 上之巻・6 新田義貞
新田義貞さん。文章は右のページから始まり、次のページの朝比奈三郎さんの陣地(?)を大きく侵略しています。赤線で囲んだ部分は新田義貞の説明文です。
国立国会図書館デジタルコレクションより
新田左中将源義貞朝臣は源家の正統にて後醍醐天皇に頼まれ奉り
智勇抜群の大将なれども勾当内侍が色に溺れ 楠木正成の謀の図を
外すこと少なからず
されども足利尊氏兄弟 新田殿の武勇に恐れて遠く西海へ走りて
正成討死ありしのちは義貞はかばかしき戦もせず 越前の国黒丸の城に
入て もつぱら勾当内侍を寵愛す
そのひまに足利尊氏丹波路より都へ入りて 北朝の天子を取り立て
大軍を引率して新田義貞を亡ぼさんと 舎弟直義を越前へ遣はし
新田と戦ひを始めけるに 足利の大軍黒丸の城を囲む事 稲麻竹葦の
如くなれども 義貞はことともせず 戦ひては城に入り 酒宴のみして
日を送り栗生篠塚らの勇臣の諫めを用ひず
されば籠城つひにかなはず 城を捨てて討つて出で主従道路に戦ふところに
敵より義貞を目がけて射かくる矢 雨の如きを義貞両刀をもつて斬り払ふこと
嵐に払ふ木の葉の如し
かかる所に一筋の矢はらひ損じて義貞の眉間に箆深に はつしと立つ
痛手なれば かなはじとて自らこうべを掻き落とし前なる深田へ われと
わが首を埋め給ふ その梟雄たぐひ稀なる大将なり
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躍動感のある騎馬像はいいですねー。霞城公園の最上義光像も見てみたい。
↓こちらが最上義光像。素敵~。