コツコツ古典

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英雄図会(葛飾戴斗1825年)・25 楠正成

楠正成と正行親子。父から子へ、巻物を手渡しています。

ARC古典籍ポータルデータベースより

楠正成(くすのきまさしげ) 
楠正行(くすのきまさつら)

楠正成は敏達天皇の後胤 橘正玄(まさはる)が子なり 童名多門丸
曽て正玄夫婦子なきを歎き信貴山多聞天に祈りて授る処なればとて
幼名を斯(かく)号(なつけ)元服の後 多門兵衛と(称?)す


河摂泉三州の太守 南帝の御為に精忠節儀金鉄の勇士なり
謀を惟(帷?)幕のうちにめぐらし勝事を千里の外に決す
関帝の義心 臥龍の才を保もち 寛仁大度にしてよく人に和す
皇運拙くして正成湊川に討死す 謀計を子息正行に遺言す


正行父の遺書を賜り忠を継 義を守ること父のごとし
弟正之正儀皆以て南帝の忠臣たり 家臣恩地満一 和田正遠
君臣の道を守り 下知に随うこと手足のごとし ゆへに小勢を以て
大敵にあたり戦ふ毎に勝利ならずといふことなし

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「桜井の別れ」の場面。

〇正成櫻井にて正行に遺言の事太平記評判秘伝理尽鈔 巻十六「正成下向兵庫事」より)
「国を政(をさむ)るの道 数十箇條、法礼の事自筆に書置給ぬ。
 巻物一巻 箱に入て 正行に渡す」

もりおか歴史文化館所蔵所蔵ARC古典籍ポータルデータベースより