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英雄図会(葛飾戴斗1825年)・27 元帥道臣命 (完)

本書最後の英雄は道臣命さん。

ARC古典籍ポータルデータベースより

元帥道臣命(げんすい みちのおんのみこと)
人皇第一神武天皇の王臣 忠義純厚の人なり 宇摩志麻治命と伴に
元帥として中津国に発向し給ふ時に 山中けはしく道を失ひしが
天照大神の告ありて 八咫烏の飛行(とびゆく)かたに随ひ
菟田の下縣にいたり 敵の大将 兄猾を亡し給ふより
賞して道臣命(みちおみのみこと)と改む 初(はじめ)日臣命(ひをみのみこと)といふ
皇大伴の氏を給ふ 本朝武将の権輿(はじめ)なり

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さて日本書紀で日臣命から道臣命に改名した由来の箇所を見てみます。神武天皇は中つ国の平定のため熊野から大和へ向かう途中、道なき熊野の山中で難渋していました。

そのとき天照大神八咫烏を遣わしました。大来目部軍事的部民)を率いた日臣命は、八咫烏の導きに従い神武天皇を先導し、道を切り開いて熊野の山を越え、やがて無事に一行は菟田下県の到達することができました。このとき神武天皇が日臣命を誉めて言いました。

「汝正しくて且つ勇めり。加(ま)た能く導の功あり。是を以て汝が名を改めて道臣と為(せ)よ」。

「勇気があり、能く導いてくれた」ことのご褒美で「道」の字を賜った、ということですね。

 

道臣命上杉謙信と同じく毘沙門亀甲の模様の入ったお洒落な甲冑を着てますね。軍配には北斗七星の柄。破軍七星軍配の走り?

ーーー 英雄図会(葛飾戴斗1825年)終 ーーー