欄間図式(下)・1 芦零
今日からいよいよ下巻に入ります。中巻の中表紙は鶴でした。下巻は亀ですね。お目出度い図柄。
下巻のトップは鶴。「あしたづ」は鶴の異名で、芦田鶴、葦鶴とも書くようです。
芦零(あしたづ)
江戸東京博物館コレクションより
あしたづのもやう大鳥なれとも めと おとのわかれ
みえかたきとりなるゆへに 半にすへし
五わ七八九羽にてもよろし
尤めてたきづなり
哥に
天津かせ ふけゐのうらにゐる たつの なとかくも井に かへらさるへき
又
君かすむ 雲のうへにぞ 聞ゆなる さかへのつるの 万よのこゑ
又
つるの子の またやしばごの すゑまでも ふるきためしを わかよとやみん
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芦たづの模様 大鳥なれども 雌と雄との分かれ
見え難き鳥なるゆへに 半にすべし
五羽七八九羽にてもよろし
もっとも目出度き図なり
歌に
天つ風 ふけゐの浦にゐる鶴(たづ)のなどか雲井に帰らざるべき
又
君かすむ 雲の上にぞ 聞ゆなる さかへの鶴の 万よのこゑ
又
鶴の子の また玄孫の 末までも 古き例しを 我世とや見ん
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