コツコツ古典

間違いがあったらコメント下さい。

和漢廿四孝 (柳下亭種員 撰)・24 後三条院(完)

もう最後の一人になってしまいました!最後はお姫様ね!と思ったら少年でしたわ!

たしかにお姫様ならもっと髪が長いわよね。

早稲田大学図書館古典籍総合データベース」より

後三条院(ごさんでうのいん)
此帝いまだ太子にてましますころ 深く北斗を信じ給ふ 祈りの師 成尊僧都といへる人 つねに御祈祷のため 参内ありけるが ある時なにゆへに かく北斗を祈り給ふにやと 問ひ奉りしに きこしめされ 我が父君の在位を千代万つ代と思ふところに ややもすればわが即位のことを いそがせ給ふゆへ その御心の出で給はぬためになすとぞ仰せありけり かかる御孝心なれば御即位の後も天下久しく治りけり めでたしめでたし

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北斗に祈るといえば中国の二十四孝なら”ゆ黔婁”。ゆ黔婁は父親の病気平癒を祈っていましたが、後三条院の場合は「私は父親の帝の長い在位を願っているのに、父は息子の私に早く譲ろうとしている。父にそういう気が起こらないように祈っているのです」ということのようですね。

後三条院は在位わずか4年で退位し、出家し、ほどなく40歳で崩御。政敵からも惜しまれるほどの賢王だったとか。

ーーー 和漢廿四孝 (柳下亭種員 撰) 終 ーーー

書籍後半、日本の二十四孝はこちら。