コツコツ古典

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英雄図会(葛飾戴斗1825年)・4 俵藤太秀郷

ムカデ退治で有名な俵藤太秀郷。

ARC古典籍ポータルデータベースより

俵藤太秀郷(たはらとうだひでさと)
下野大掾村雄か子藤太秀郷は和州田原に生る よつて俵藤太といふ 鎮守府将軍に任じ
朱雀院の朝に将門を亡し武蔵下総の両国を恩賜せらる 或とき瀬田の橋を通りしに
龍女太刀にすがりて我に年来の仇あり 是を討ちたまはれと乞ふ 許諾してその
仇たる怪物を射殺すに三上山に住る大蜈蚣(おおむかで)なり 龍女拝謝して湖中に
投じ直に巻絹赤鍋を奉て恩を報ふ その二つの宝器 裔孫蒲生家に傳へて什寶たりしとぞ聞へし

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御伽草紙の「俵藤太物語」から。いくら裁っても尽きない絹、食べ物が湧き出てくる赤銅の鍋、そして上の文中には出てきませんがお米の尽きない俵が描かれています。

国立国会図書館デジタルコレクションより

「御伽草紙」ではこのあと藤太は竜女とともに竜宮に行って、お土産に鎧剱、さらに釣鐘まで貰ったので鐘は三井寺に奉納したとか。ムカデ退治のお礼に竜宮で大歓待を受けた藤太でしたが、ここで長居すると浦島太郎みたいに何百年も経過することになるからと考え、早めに帰ってきたそうです。