コツコツ古典

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和漢廿四孝 (柳下亭種員 撰)・10 丹生弘吉

丹生弘吉。これは母子の和やかな食事のシーン。外には畑。畑の上にロープが張ってあって、ぶら下がっている小さな札みたいなのは鳴子でしょうか。

丹生弘吉(にふのひろよし)

若州遠敷郡の農民なり 父にはいとけなくしてわかれ 母に孝をつくすこと 人にこえたり 他所へゆくときは まづ父の墓に詣でて泪を流し 経など読み しかして母の心もよく慰め 其のち ゆきしとぞ されば其里 いかなる不作の年といへども 弘吉が田畠には水損旱損の うれひもなく また虫のつくこともなかりけり このよし 禁庭へきこへ その国をたまはり 高き位にのぼりしとなん

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中国の二十四孝のお話だと、冷酷な親に対してけなげに尽くしたり、無茶な要求にも危険を顧みずに応えようとする孝子がたくさんいましたが、日本の二十四孝のお話はそれに比べるとのほほんとしてますね。自分の子を屋根から突き落としたり井戸に落とそうとしたり雪の中タケノコ採りに行かせたり、子が蚊に刺されまくっても横で爆睡してる親とか、そんなの出てこないですね。丹生弘吉さん、高い位につかせたらかえって親の世話できなくなって気の毒。