コツコツ古典

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和漢廿四孝 (柳下亭種員 撰)・12 難波部安良賣

内容が7 波自采女とかぶる人。

早稲田大学図書館古典籍総合データベース」より

難波部安良賣(なにはべのやすらめ)
筑前の人にて いとけなきよりきわめて父母に孝順なり その母早く世を去りけれは
深く悲しみ嘆き 明け暮れ墓に詣で仕ふこと 生ける日のごとし かくて十六才にして
同国の住人宗像の朝臣秋足(あきたる)の妻となる 不幸にして幾程にあらで秋足に
後れしかば さまざまいひよる人あれども 二夫にまみえず 天長の帝きこしめして
位二級を賜り 貢物をゆるさせたまひける

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波自采女との共通点。

・若くして夫に先立たれる

・その後、縁談はいくらでもあったが再婚しない

・墓参り好き

・納税免除

違うところ。

・時代。波自采女・・・続日本紀768年の記事に登場。奈良時代の人。

    難波部安良賣・・・天長年間は824~833。平安時代の人。

・波自采女はお墓のそばに引っ越した。

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「本朝略史2」という本の淳和天皇のページに難波部安良賣さんが出てきました。

国立国会図書館デジタルコレクションより

”五年 筑前の孝子難波部安良賣に位を授け戸田を賜ふ”

しかし難波部安良賣さんよりさらに気になる箇所が。

「今歳 丹波の浦島子 蓬莱山より古郷に帰る」。

天長2年の大ニュースは紫宸殿で開かれたお経の論議と、浦島太郎の帰国。

 

手持ちの「繪本古事談 巻之三」より「浦嶋子

浦嶋子(うらしまこ)

雄略天皇二十二年秋七月 丹州餘社の郡 管川の人 水江の浦嶋か子という者
舟に乗りて釣を垂る ついに大なる亀を得たり 化して女となる 浦嶋か子
感じて夫婦となる 相伴て海に入 蓬莱山に至り 三百四十餘年を歴て 淳和帝
天長二年に帰る 別るに及て婦 玉手箱を与へ いましめていはく 開ことなかれと
浦嶋か子帰りて 未審(いぶかし)くや有けん 箱を開けれは 中より煙たちのぼり
其時浦嶋か子 若さ形を変じて忽白髪の老翁となれり 世俗に あけてくやしき
玉手箱といふ是なり

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亀が女性に変身してました。