コツコツ古典

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欄間図式(上)・4 雪中松

雪中松(せつちうのまつ)

The British Museum所蔵

ゆきまつにみそれをあしらいたるなり
しかれとも地のあきたるをよしとするときはみそれはなくとも
しかるへし 又みそれあるひは雨なとをあしらふときは
松の木たち(木立)いかやうともなるへし とかくはにきやかなるも
さひしきにも もやうのとりやうあしけれは
かつかうあしきのみならず つりのためもよろしからず
たとへば松の葉をたかひくなしにならびた(つ)やうの(事)
第一せくらべとてきらふなり
松にかきらす(限らず)菊ぼたんのたぐひにてもみなこれにしたがふべし

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雪松に みぞれをあしらいたるなり
然れども地の空きたるを良しとするときは みぞれは無くとも然るべし
又 みぞれ あるひは雨などをあしらふ時は
松の木立 如何様ともなるべし 
とかくは賑やかなるも 寂しきにも 模様のとりやう 悪しければ
格好悪しきのみならず 釣りのためも 宜しからず
たとへば松の葉を高低なしに並び立つやうの事 
第一(何よりもまず、そもそも) 背比べとてきらふなり
松に限らず菊 牡丹の類にてもみなこれに従ふべし

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モチーフに高低を付けずにただ横一直線に並べると、「背比べ」と言われる出来の悪い作品になってしまいます、ということでしょうね。

背比べな絵ってこういうの?              (作 小心)