コツコツ古典

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欄間図式(上)・9 雨中笹

雨中笹(うちうささ)

The British Museum所蔵

是は目出度もやうなり
松竹は四きともに色をへんぜず
しぐれにもとうやうせぬもの也
そのうたに

木々の葉の いろつく秋の くれ竹は
しぐれになをや みどりそふらん

又松にしぐれの哥に
そめやすき よその こずゑの ならひして
つれなきまつに ふるしくれかな

いづれも色かはらぬ たとへによみたり
ほりやうは雨をたよりにささの葉のつよくなるやうを
かんがへてほるべし

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これは目出度き模様なり
松竹は四季 ともに色を変ぜず

なお時雨にも動揺せぬものなり
そのうたに
木々の葉の 色づく秋の 呉竹は
時雨になをや 緑そふらん

また松に時雨の哥に
染めやすき よその梢の ならひして
つれなき松に 降る時雨かな

いづれも色変わらぬたとへに詠みたり
彫り様は雨を頼りに笹の葉の強くなるやうを
考へて彫るべし

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常緑で雨に負けない笹。縁起がいいんですねー。