コツコツ古典

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欄間図式(上)・10 桐盡

桐盡(きりつくし)

The British Museum所蔵

一ふでぎり 是もまへに志るす まき馬のごとく 
筆つきをすこしみせて いんほりにすべし
きりの葉のかたちはさまざま ものずきに
まかせて加えべし
すかしいくま有共 同し高さ おなじならびにならぬ様に
こころへてすゆるべし
桐の葉もずいふんかえていろいろにすべし
同し葉あれば 一かう いずれも同じ葉にすべし
かへつくして ことかきたるやうのしわざ
見ぐるしかるべし
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一筆桐 これも前に記す牧馬の如く
筆つきを少し見せて陰彫りにすべし
桐の葉の形はさまざま 物好きに任せて加えべし
すかしいくま有共
同じ高さ同じ並びにならぬ様に心得て据ゆるべし
桐の葉を随分変えていろいろにすべし
同じ葉あれば 一かう いづれも同じ葉にすべし
かへつくして事欠きたるやうのしわざ見苦しかるべし

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5 牧馬と同じ彫り方ですね。桐の花は大きさや高さを変えて変化をつけています。よく見るとこの画像でも五種類の花の描き方、葉の描き方もそれぞれ違ってます。ただし、ひとつの模様の中での花や葉の描き方は同じにしないと見苦しくなりますよ、ということですね。そりゃそうよね。