コツコツ古典

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欄間図式(下)・4 浪にあぢ村

あぢ村

The British Museum所蔵

なみにあぢむらいんぼりまへにするしごとく
あらけづりに下絵を付てほりすかしてのち 
きよがんなかけて ほりめの角たつやうにすべし 
あぢむらといふとりは小とりなり
むくとり共いへり また小かもの事ともいへり
しかし(はかく?)にかくときは
小とりにあらず
むらがりとぶときはそらくもるやうにみゆる也
哥に
あかつきの くもにもあらで  なかぞらに
一すじ くもる あぢのむらとり
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浪にあぢむら 陰彫り 前に記す如く 
粗削りに下絵付て 彫り透かしてのち
清鉋(仕上げのカンナ)かけて 彫り目の角 立つやうにすべし
あぢむらと云ふ鳥は小鳥なり
椋鳥とも云へり
また小鴨のこととも云へり
しかし(はかく?)に描くときは小鳥にあらず
群がり飛ぶときは空曇るやうに見ゆるなり
歌に
暁の 雲にはあらで 中空に
一筋曇る あぢの群鳥

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「あぢ」という聞きなれない名前の鳥が出てきました。この文によると「椋鳥」または「小鴨」のことだそうです。どちらも群れてそうですね。でも波の上にいるなら鴨でしょうかね。