コツコツ古典

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欄間図式(中)・5 夏 鮎

The British Museum所蔵

あゆのもやう かけほり也 又うをにいんやうをほりて
もやうとす やうほりはつり所を めたたぬやうに心へへし
いんほりは目を口もとの方へつけてのこしほるへし
かしらの方へ付てほりては見くるしく
水はもとより つりあるはいやしきなり
つりと見へさるやうに所々にふてをやすめて
よはからぬやうを心得てほるへき也
古哥に
夜河ふね ともすかかりの ひかりには
もにすむあゆの かすも見へけり
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鮎の模様 陰彫りなり また魚に陰陽を彫りて模様とす
陽彫りは つり所を目立たぬやうに心得べし
陰彫りは目を口元のほうへつけて残し彫るべし
頭の方へ付て彫りては見苦しく
水はもとより つりあるはいやしきなり
つりと見へざるやうに所々に筆を休めて
弱からぬやうを心得て彫るべきなり
古哥に
夜河船 ともす篝の 光には 藻に住む魚の 数も見えけり

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清流に鮎の群れ。涼し気で暑中見舞いの挿絵になりそうな図柄ですね。