コツコツ古典

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欄間図式(中)・13 寒山拾得

巻物と箒。ああ、寒山拾得ね、とすぐにピンとくる日本人どれくらいいるのかしらね。

寒山拾得(かんざんじっとく)

The British Museum所蔵

かんさんじつとくのもやう かんさんは ははきをもち
拾とくはまきものをもつ
その心もちはかりをふうりうにしたるつなり
あさみは はなのかたちからめきたるゆへに 
そうをうしたるものなれは あしらへたるなり
此のづのこころにて何にても思ひ付へきなり

あるひはせきこう長りやうならは なみに
くつのながれたるに かんふりか馬のあふみ などをあいしらうたぐひ 
或は松にはばき さらへをあいしらへば高砂とみゆるたぐひなり
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寒山拾得の模様 寒山は箒を持ち 拾得は巻物を持つ
その心持はかりを風流にしたる図なり
あざみは花の形 唐めきたる故に
相応したるものなれば あしらへたるなり
この図の心にて何にても思ひ付へきなり

あるひは石公 張良ならば 波に沓の流れたるに
冠か馬の鐙などをあいしらう類
或は松に箒 さらへをあいしらへば 高砂と見ゆる類なり

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箒と巻物・・・寒山拾得

波に沓、冠、馬のあぶみ・・・張良と黄石公

松に「さらへ(熊手)」と箒・・・高砂

彫刻に人物不在でも、彫られた物だけでも題材を読み取れるようになりたいです。

国立国会図書館デジタルコレクションより 寒山拾得図(木村探元 画)

 

国立国会図書館デジタルコレクションより 黄石公と張良

 

国立国会図書館デジタルコレクションより 能画圖式 乾・高砂