コツコツ古典

間違いがあったらコメント下さい。

欄間図式(下)・8 寿龍(じゆりやう)

いろんな字体の「寿」の文字と、龍の取り合わせ。

寿龍

The British Museum所蔵

じゆりやうはからおりのかたより出したるもやう也
じゆの字は百しゆとてももしなにかきたる文字二通りあり
さまざまおもしろきもんがら多し 
あまりやうはまことはつめ五つあるものなり
三つにも四つにも又はからくさのはしのごとくに
まきてもやつしてよし
つのもあるなしなり きはまりたることなきは
おりものもやうよりつくれるゆへなり
ほりやうによりて目のなきもおもしろかるべし
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寿龍は唐織の型より出したる模様なり
寿の字は百種とて 百品に描きたる文字二通りあり
様々面白き紋柄多し
天竜は まことは 爪五つあるものなり
三つにも四つにも 又は唐草の橋の如くに
巻きてもやつしてよし
角もあるなしなり
決はまりたることなきは 織物模様より作れるゆへなり
彫り様によりて目のなきも面白かるべし

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加門七海さんの「着物憑き」という短編集で知ったのですが、龍の爪の数は龍の位を表しているそうです。一番位の高い「五爪の龍(ごそうのりゅう)」は、中国では皇帝のみ使うことが出来る図柄だったとか。

龍の彫刻を見ると、つい爪がいくつあるかな~と数えてしまいます。

↑この子は三本爪ね~。

 

こちらの子は五爪みたい。