コツコツ古典

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欄間図式(上)・14 水鯉 (完)

水鯉(みつこい)

The British Museum所蔵

こいのうろこをまづわきはらにほしをつき
尾の中となりへしたいにすこしこまかめに
三十六つきてこれにうろこを付て
これよりわりいたし惣身のわりつけを
さたむへし
せのひれは九まいの(の)うろこより
はしめて付いだすへし

およそづのことし
三十六の物なれとも
およそにすへし
あまりかずをきはめたるもよろしからす
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鯉の鱗を まづ脇腹に星を付き
尾の中隣へ次第に少し細かめに
三十六付きて これに鱗を付て
これより割り出だし惣身の割付を定むべし
背の鰭(ひれ)は九枚の鱗より始めて付出すべし

およそ図の如し
三十六のものなれども およそにすべし
あまり数をきはめたるもよろしからず

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鯉の別名は「三十六鱗」というんですね。鯉の鱗の描き方は最初に点々をエラのところから尾びれに向かってだんだん小さくなるように36個打ってから描き始めましょう、ということですね。そして背鰭は9枚目の鱗から描き始めるように、と。

最後に「本当は36だけど、そんなにきっちりじゃなくて大体でいいんだよ」と書き添えてくれている心遣いも嬉しいですね。

ーーー 上巻 終 ---